日々平穏、善哉善哉。

南四国でアラフォーのオバチャマが、好きなものをひたすらに叫ぶだけのブログです。ごくごく稀に真面目な話もあります。

旦那闘病記。その2

2017年、5月末。
それは突然だった。
 
 
 
昼下がり。
とはいえ、嫁も仕事中。
突然の、旦那からの電話。
互いの仕事中に、電話を掛け合うことはよほどのことだ。特に旦那は仕事の電話も私物の電話で受けるのでなおのこと。
かけてきたのは旦那だった。
 
 
 
「あのさ。俺、くも膜下出血みたい」
 
 
 
え?
なに、どういうこと?
 
 
 
理解が追いつかない。
 
 
 
聞くと、旦那は痛む頭を抱えながら、嫁に電話していた。
トイレの最中にうなじあたりに経験がないような激痛に襲われ、しばらく動けなくなり、その場で座り込んでいたこと。
少し痛みがやわらいだ気がしたので、車に戻り、スマホで痛みの原因を探すと、「くも膜下出血」を見つけたこと。
 
 
 
「……どうしようか」
「いや、どうしようかじゃない!救急車呼んでよ!」
「だけどさ、今一人で、ここの仕事放り出して行けないし」
 
 
 
旦那の仕事は機械のメンテナンスで、ほぼ外仕事。単独で動くことが圧倒的に多い。
とはいえ、それどころではない、もし、本当にくも膜下出血ならば。
旦那も思い返せば、なんであそこであんなに仕事にこだわったのか、覚えていないらしい。突然、降ってわいた「病名」を受け入れがたくて、出てきた言動だったのだろう。
とにかく、早く病院にと進める嫁。
とはいえ、仕事を放り出せないとごねる旦那。
 
 
 
「……あのさ、今痛みは?」
「だいぶ落ち着いた。今は動けてる」
「……水分は?」
「あ、取ってない」
「動けてるなら、水分取ってみて」
 
 
 
じゃあ買いに行くと電話が切れた。
ジリジリと待ちながら、20分ほどして電話をかけた。
 
 
 
「どう?水分取れた?」
「ん……だめ、飲んだら全部吐いた」
 
 
 
これは、だめだ。
旦那がどんなに拒否しても、レスキューコールをしなくては。
 
 
 
「それはダメだよ。私、救急車呼ぶよ。何言っても、そっちに行ってもらうから」
「あ、えっと」
「分かってるでしょ。緊急事態だって」
「………分かった。会社に電話してから、病院行く」
 
 
 
そして電話は切れた。
またジリジリと待ち、10分後に電話。
 
 
 
「今から、病院行く」
「え?車?」
「ここから見えるのが、大きな病院ぽいから」
 
 
 
そして、旦那は近くの総合病院に駆け込んだ。