日々平穏、善哉善哉。

南四国でアラフォーのオバチャマが、好きなものをひたすらに叫ぶだけのブログです。ごくごく稀に真面目な話もあります。

旦那闘病記。その10

旦那がICUから一般病棟に移った頃に、ようやく嫁に余裕が出てきた。
この頃から、あちらこちらに旦那の病状などをメモしたり、発症当時からのことを書き散らしている。

とはいえ、旦那の病状は一般病棟に移った頃から毎日毎日回復に向かい始めた。
一般病棟に移ってすぐの時は両足に浮腫予防の電動圧縮のベルトが巻かれていて、排泄もカテーテル(チューブ)で管理、寝返りも不自由。

それでも術後一週間後には、点滴以外のすべてが外され、病棟内を点滴タワーを押しながらではあったが、自由に歩けるようになった。
後遺症もまずなさそう、リハビリも特に必要なしと、太鼓判を押してもらった。

嫁の付き添いも一段落。
仕事もしているので、上司に事情を説明し、休みを多めに(代わりに何人もの同僚が出勤してくれた)して、休日の前の日に夕暮れの道を車で走り、旦那の隣で1日を過ごして、休日の夜、帰る生活になった。

倒れた日の夜、泣きながら走った道は、
好きな音楽を爆音で流しながら、
時には歌いながら走る、
楽しいドライブコースに変わった。

そんな日々の中、
仕事中の嫁に旦那からメール。
添付ファイルを開くと、
見た事のある風景が。

それは、病院の屋上からの景色だった。

手術中、最悪の事態が避けられたことを知ったあと、それでも落ちつかない気持ちをリセットした方がいいと、嫁の母に勧められて、屋上に上がった。
中核病院は高台にあって、風が強い。けれど屋上からは遠い山の稜線が見えた。
あの日見た景色より、旦那の写真は山の緑は濃い色に変わっていたけれど、
同じだった。

病院の敷地内なら散歩してもいいって言われたから、来てみた。
風が強いけど、いい天気。

旦那からのメールに、嫁は返信する。

良かった良かった。
点滴タワーの充電、切れない様にね(ノ*°▽°)ノ

ようやく、
日常が戻ってくる。
そう思えた瞬間だった。